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2005.12.03

柳都物語  第24回について

 「柳都物語・第24回」『住吉神社』、いかがでしたでしょうか?

 まず、本編1枚目の写真(住吉神社)を見てください。
 これを撮影したのは今年の3月5日ですが、春先の寒さのおかげで、このとおり真冬の風景が撮れました。
 この写真を見ただけでは、この神社がどういう場所に建っているか、よく分からないと思います。

長谷川雪旦「北国一覧写」より  そこで、左の画像を見ていただきたいのです。この画像は、長谷川雪旦(はせがわせったん)という人が、「北国一覧写(ほっこくいちらんうつし)」という画稿に描いた江戸時代の日和山です。住吉神社は、この日和山のてっぺんに建っているのです。
 長谷川雪旦という人について少し説明します。
 雪旦は、雪舟系の絵師で、1778年(安永7年)江戸に生まれ、1843年(天保14年)に亡くなっています。
 雪旦の残した絵では、「江戸名所図絵」が、江戸の風俗を写した貴重な資料として知られていますが、彼が描いたのは江戸の風景だけではありません。秋田や新潟を描いた「北国一覧写」のほかにも、九州を描いた「西国写生(さいこくしゃせい)」などもありますから、絵を描きながら諸国を漫遊した人だったみたいです。
 「北国一覧写」にある日和山の絵が描かれたのは、1831年(天保2年)だそうですから、雪旦53歳のころになります。
 「北国一覧写」は、1924年(大正13年)に、東京の米山堂から「稀書複製会叢書」というシリーズの一冊として出版されていて、それが新潟県立図書館に所蔵されていました。上の画像は、これを書庫から出してもらい、デジカメで撮影したものです。
 いくら何でもこの日和山の絵には誇張があると思いますが、本編中で尚樹が「この神社はプリンの上に建ってるみたいなんだ」と言っているのがおわかりいただけると思います。
 現在の日和山は、びっしりと住宅に取り囲まれていますから、この絵のようには見えませんが、高い建物が周りにないので、今でも山上からの眺めは良好です。ただし、それは冬だけ。というのも、向かって右側の斜面に大きな木が生えているのが、写真でもお分かりになると思います。たぶんエノキだと思いますが、この木が葉を広げている時季は、眺めが遮られてしまうのです。
夏の日和山  左の写真は、夏の日和山です。階段の上部に覆い被さるようにエノキが葉を茂らせています。
 本編中で尚樹が、「おれたちが登ってきた方には、木の枝を透いて、高さ140メートルの万代島ビルが見える」と言っていますが、このとおり夏は、木の葉に遮られて万代島ビルは見えません。

 続きまして、本編2枚目の写真(住吉神社/変な石)。この石は、実際に日和山の上にあります。撮影日は今年の2月5日。
 雪旦の絵の右上にも、この「変な石」が描かれています。
 実は、雪旦が描いた石と、現在日和山にある「変な石」は同じ石ではないのですが、それも含めまして、この石は、今後「柳都物語」の重要な鍵になっていく予定です。

 それでは次回の「柳都物語」をお楽しみに。12月10日、掲載予定です。

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