◇夢文学
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『夢文学』の巻/書籍編
題名とした『夢文学』の「夢」は、まさしく睡眠中に見る「夢」のことです。
ここでは、「夢」を見ているような雰囲気の作品を選んでみました。
ほとんどが短編です。
作者の五十音順で並べてあります。
◆阿川弘之:「スパニエル幻想」
今では、娘の阿川佐和子さんは知っていても、その父親の阿川弘之という作家は知らない人が多いのではないでしょうか。
終戦時海軍中尉で、代表作が『山本五十六』を始めとする海軍提督3部作ですから、『夢文学』とは最も遠い位置にいるといっても良い作家です。
私がこの「スパニエル幻想」を読んだのは、吉行淳之介が編んだ『奇妙な味の小説』というアンソロジーでした。
それまで全く関心の無かった作家でしたが、こんな小説も書けるんだなあと大いに感心したものです。
下に挙げた「青葉の翳り」は自薦の短編集です。
中公文庫から出ていた『奇妙な味の小説』は、残念ながら絶版のようですので 楽天フリマを探してみてください。
![]()
◆内田百閒:「冥途」
内田百閒については「『権助とカッパ』の巻」でも書きました。
芥川龍之介を感心させたという作品群です。![]()
◆江戸川乱歩:「押絵と旅する男」
澁澤龍彦をして「乱歩の短編のなかでベストワン」と言わしめた傑作。
澁澤龍彦が編んだ『暗黒のメルヘン』という幻想文学アンソロジーに収録されています。
1994年、川島透監督により映画化もされています。![]()
◆齋藤緑維:「夢の汀」
わはは。
これは冗談です。
◆島尾敏雄:「夢の中での日常」
島尾敏雄は、第二次大戦で特攻隊の指揮官として奄美大島に赴任し、出撃する寸前に終戦をむかえました。
映画化もされた長編「死の棘」が有名。
この「夢の中での日常」も、『奇妙な味の小説』に収録されています。
そのほか、『暗黒のメルヘン』に収録されている「摩天楼」など、『夢文学』の王道をゆく作品を多く遺しています。
とにかく「夢の中での日常」を初めて読んだときは、こんな小説があるのかと驚きました。
なんで島尾敏雄は、「夢の中での日常」を読まずに「夢の中での日常」を書けたのだろうかとも思いました。
私が持っている「夢の中での日常」が入った短編集は、集英社文庫版と講談社文芸文庫版ですが、両方とも絶版になってしまったようです。
楽天フリマを探してみてください。
◆曾野綾子:「長い暗い冬」
小学校から大学まで聖心で、クリスチャン。
この「長い暗い冬」は、筒井康隆が編んだ『異形の白昼』という恐怖小説アンソロジーで読みました。
『夢文学』とは少し離れていますが、とにかく雰囲気が凄いです。
不朽の名作として恐怖小説ファンには有名な作品。
残念ながら、「長い暗い冬」の入った短編集も、アンソロジー『異形の白昼』も新刊では手に入りません。
楽天フリマを探してみてください。
◆つげ義春:「ねじ式」
この「ねじ式」だけ、小説ではなく漫画です。
あまりにも有名な作品なので解説は省略します。
映画化もされています。![]()
◆安岡章太郎:「秘密」
安岡章太郎は、芸術選奨・野間文芸賞を受賞した「海辺の光景」などリアルな作品を主とする作家で、この「秘密」は異色作と言えます。
冒頭から『夢』の雰囲気プンプンです。
下の新潮文庫版「海辺の光景」には、「秘密」も収録されています。
アンソロジー『奇妙な味の小説』にも収録されています。![]()
以上、「『夢文学』の巻/書籍編」でした。
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